産前・産後・育児は身体と心に負担や不安を感じることが多いと思います。
「無事に生まれてきてくれるのか?」や「身体的や精神的な変化」など悩みや不安な気持ちは人それぞれあります。また家事や料理も体調によってできる日とできない日が出てきます。つわりがひどく料理ができない。赤ちゃんの世話に追われて家事は後回しになってしまう。実家が遠方で頼れる人が近くにいない。など様々な理由があります。
パートナーと不安な気持ちや家事や料理の負担を共有して理解してもらい気持ちを和らげてほしいと思っていても、仕事でいないことが多く、結果として女性が家事や料理などをしなければならないのが現状ではないでしょうか?
行政も市町村単位で子育て支援・産前・産後サポート・産後ケアを実施しています。また産後パパ育休(出生時育児休業)が2022年10月1日から施行され、2023年の厚生労働省の調査では、30.1%となり過去最高の取得率となりましたが、企業規模が小さいほど取得率は少ない傾向にあります。男性は産後パパ育休を取得していただき、子育てのサポートや家事・料理を行い、女性の育児や家事の負担軽減を行っていきましょう。
産前・産後・育児と様々な時期においても、家事・料理は切っても切り話せません。その時々によって気を付けなければいけない食事内容もあります。(妊娠高血圧症候群、栄養バランス、アレルギー、好き嫌いが出てくる)
今回は、産前・産後・育児の悩みと家事代行について、詳しく解説いたします。

産前の家事の悩み
・つわり(悪阻)による体調不良で家事ができない。
・胎児の影響を考えて食べるものに注意が必要。
・妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)と診断され、安静を要する。
・重い荷物を持てない。
・お腹が大きくなり買物、掃除、片付けに苦労する。
妊娠初期は、熱っぽかったり、だるかったり、胃のもたれむかつき、吐き気、食欲不振などつわり(悪阻)の症状が出る時期です。中には立っているとふらふらする、めまいや頭痛もしたりするので、家事・料理ができる機会が減ってきてしまいます。
妊娠中期になると、気を付けることも増えてきます。つわりが治まり、食欲が出てくるタイミングなので急な体重増加に気を付けなければいけません。妊娠中期はお腹がだんだんと大きくなってくるので、お風呂の掃除などの家事や料理を行うのが辛くなってくる時期です。パートナーと家事・料理の分担について、積極的に話し合って共有と理解してもらいましょう。
赤ちゃんの為にも、栄養バランスの取れた質の高い食事を摂りたいところです。加工食品や市販品は食塩が多く含まれているのでなるべく避けて、手作りで和食中心を心掛けたいです。積極的に取り入れたい栄養素(鉄、葉酸、カルシウムなど)や食べるのを控えた方がよい食材(生もの、マグロ・かじきなどの水銀を含む魚、ヨウ素を含む海藻類、加工食品、カフェイン、お酒など)に気を付けながら、母体と赤ちゃんの成長を食事から手助けしてあげるとよいですね。
妊娠後期は、さらにお腹も大きくなり、足や腰に負担が増えてきます。急な動作は転倒の危険がある為、ゆっくり動くようにしましょう。さらに車の運転が難しくなります。交通事故にあったら大変なので、極力運転はしないように心掛けましょう。いつお産が始まってもおかしくない時期です。一人での遠出は不慮の事態に備えて控えましょう。また、お産の準備(入院中の服、赤ちゃんの洋服)や自宅の赤ちゃんの空間を作ってあげるなど、やらなければいけないことが多く、加えて家事・料理はかなりの負担になってしまします。
産後の家事の悩み
・産褥期(出産後に体が妊娠前の状態に戻っていく期間のこと。個人差はありますが、体が元の状態に戻るまでの期間は6〜8週間程度といわれています。この間にしっかり体を休め、心身ともに赤ちゃんの世話に集中できる環境を整えてあげましょう。休めてない状態で、育児に追われるとマタニティーブルーや産後うつなど気分の落ち込みになりやすくなってしまいます。)のため、体が思うように動かせない。
・赤ちゃんを連れて、買物に行くのが大変。
・季節感染症(風邪、インフルエンザ、コロナウイルスなど)に感染するのが怖い。
・授乳の大変さ、乳腺炎で発熱して、体が思う様に動かない。
・昼夜問わず赤ちゃんの育児、夜泣きなどで十分な睡眠がとれない。
・もともとある腰痛、肩こりの悪化や抱っこし続けていると腱鞘炎になる。
・身近に頼れる人がいなく精神的な不安感や身体的につらい。
無事に出産を終えて、退院すると基本的に6~8週間程度は産褥期に入り、赤ちゃんのお世話と母親の身体の回復を優先させるようにしましょう。掃除や長時間立って料理などは体の負担が大きいので控えた方がよいです。父親も育児や家事をサポートしていくと、仕事と家のことの両立で疲れが少しずつ溜まってきてしまうのではないでしょうか。
お互いに頑張りすぎないように、頼れることは行政サービスや家事代行などに頼り、空いた時間を赤ちゃんに触れ合える時間や心と体を休める時間に使えるようにできるとよいと思います。
育児の家事の悩み
・寝る時間が取れない。
・こども中心の生活で自分の時間が持てない。
・仕事と育児の両立が不安。
・こどもが偏食でごはんを食べない。
・イヤイヤ期で思うように進まなくて、イライラしてしまう。
・こどもと一緒に買物に出かけると、重い荷物が持てない、かさばる荷物を持つのが大変。
少しずつこどもが成長していく様子を見ていくのは、嬉しい、楽しいですが、それでも育児は大変の一言に尽きます。こども1人でも大変なのに、2人目、3人目となると大変さはさらに増していきます。兄弟でけんかしますし、ご飯も遊びながら食べ始めたり、ご飯中に歌を歌って、手が止まってしまったり、思い通りに進みません。朝ごはんの時間が伸びると、保育園に行く時間が迫ってきます。お仕事に行くために、自分の身支度も整えないといけません。まさにバタバタしながら家を出て、保育園に預けて、職場に行きます。
保育園に預けてからも日中は仕事、夕方には保育園にお迎え、家につけば夕飯の支度やお風呂に入る準備、お風呂掃除などやらなければいけない家事は毎日たくさんあります。夕食を済ましてお風呂に入れ寝かしつけてやっと自分の時間が少し持てる感じではないでしょか。こどもが一通り自分でできるまで続くと思うと、どこかで息抜きも必要になってくると思います。
産前・産後・育児の期間に家事代行をオススメする理由
・整理整頓・掃除された部屋になり気持ちが落ち着く。
・家事に費やしてきた時間を子供の時間・自分の時間に利用できる。
・休養でき体調が回復する。
・心身ともに余裕ができ家庭が円満になる。
・育児を楽しめるようになる。
総務省統計局の2021年(令和3年)社会生活基本調査の「6歳未満の子どもを持つ世帯の夫と妻の家事関連時間」を見ると、夫は1時間54分、妻は7時間28分となっており、その差は4.7倍となっています。男性の家事関連時間は年々増加傾向ですが、夫婦差はまだまだ一定の差があるのが現状と言えます。
女性は家事と育児に多くの時間を割いているのが現状と言えます。共働き世帯が当たり前になってきている中で、家事・育児負担の割合は女性に偏りが生じるのは、解消していかなければいけない問題ですね。
家事や料理・育児の負担を行政の支援サービスや家事代行サービスを活用することは、夫婦の家事や料理・育児の負担の軽減になるだけでなく、心身の休養、リフレッシュすることで、子育てに前向きになり、家族との時間がより充実することとなりますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は産前・産後・育児の悩みと家事代行について解説しました。産前・産後・育児を行っている夫婦は落ち着く暇もなく毎日が過ごしていると思います。
近年は、全自動洗濯機、全自動食洗器、全自動掃除機(お掃除ロボット)など、家事を減らしてくれる家電製品のおかげで一部の家事の負担は軽減されましたが、その他の家事や料理は誰かがやらなければいけません。食事を出すためには献立を考えて、冷蔵庫の確認と買い出しもして、作る時間の確保も必要です。お風呂は洗わなければお湯を張れないし、洗濯は畳んでしまわないと片付かないです。
産前・産後・育児の生活の中でやることが多く、余裕を持てない方もいらっしゃると思います。そんな時は、自治体や行政が行っている各種サービスを活用してもよいですし、民間の家事代行サービスを利用して、自分の時間を作って精神的、身体的負担や悩みを軽減して、我が子にたくさんの愛情を注げる環境を作ってあげたいですね。
