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秋といえば、「健康診断」の季節です。

秋の代名詞の表現として、「食欲の秋」、「スポーツの秋」、「読書の秋」、「芸術の秋」など、多く秋が皆さんに認知されています。

社会人になると、もう1つの秋がやってきます。そうです。「健康診断」です。

健康診断では、身長、体重測定、血液検査、心電図検査、検尿、検便、内視鏡検査(胃カメラ)など、さまざまな方法で身体の状態を総合的に評価します。

健康診断が多く行われる季節は「春」と「秋」です。

春に行われるのは、新しい生活や環境に適応が始まり、冬から春へ季節の移行による体調変化を把握できます。

秋に行われるのは、気候が安定しており、体調が落ち着きやすいため、正確な検査結果を得られやすい時期とされています。

健康診断を受けることで、病気や身体の異常を早期発見することができます。多くの病気は初期段階では自覚症状が現れにくいです。特に、悪性新生物(がん)や生活習慣病(糖尿病、高血圧症など)は早期に見つけることで、治療の成功率が格段に上がります。また、生活習慣の改善を行うことで、健康寿命を長く保つことができ、QOL(生活の質)の向上が期待されます。

今回は、健康診断の血液検査の意味を解説、数値に異常があった時にをお話していきたいと思います。健康診断の結果を有効活用していきましょう。

ぜひ、今年の健康診断の結果を手元に置きながら、検査結果の見直しをしてみてはいかがでしょうか。

目次

血液検査の意味を解説

検査のお薬の種類、方法、検査機器や検査を行う医療機関や検査会社の違いにより基準値が若干異なる場合があります。今回、基準値は掲載していません。各自の健康診断の基準値を参考して頂ければと思います。

肝臓系検査

総タンパク (Total Protein)
血液中の総たんぱくの量を表します。数値が低い場合は栄養障害、ネフローゼ症候群、がんなど、高い場合は多発性骨髄腫、慢性炎症、脱水などが疑われます。

アルブミン(Albumin)
血液蛋白のうちで最も多く含まれるのがアルブミンです。アルブミンは肝臓で合成されます。肝臓障害、栄養不足、ネフローゼ症候群などで減少します。高齢者の栄養状態の評価に見られる項目です。アルブミン値が3.5g/dl以下だと、低栄養状態になり床ずれや褥瘡(じょくそう)に気を付けなければいけません。

AST(GOT)とALT(GPT)
AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)(GOT(以前はグルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼと呼ばれていました。))は、心臓、筋肉、肝臓に多く存在する酵素です。細胞が壊れると、血液中にASTが放出され、血中濃度が上昇します。ASTの数値は単独ではなくALTとのバランスによって、体の中の異変や病理を疑う指標として使われます。

ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)(GPT(以前はグルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼと呼ばれていました。))は肝臓に多く存在する酵素です。数値が高い場合は急性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝、肝臓がん、アルコール性肝炎などが疑われます。ALTの数値だけではなくASTの数値とのバランスや、総ビリルビン(赤血球のヘモグロビンが分解されて生成される黄色い色素で、肝臓で処理され、胆汁として排出されます。通常、血液中にごくわずかしか存在せず、病気があると異常に上昇します。)、ALP(アルカリフォスファターゼ)(ALPにはリン酸化合物という栄養素を分解するはたらきがあり、肝臓や腎臓、骨、小腸などにある細胞でつくられます。通常、ALPは肝臓で処理された後に胆汁(脂肪の消化を助ける液体)とともに排泄されますが、肝臓や胆道に異常が生じて胆汁がうまく流れなくなってしまうと、血液中にALPが漏れ出てきて、ALPの数値が上昇します。)などの値との兼ね合いを考慮して、高値の原因を探ります。

γ-GTP
γ-GTP(ガンマ-グルタミルトランスペプチターゼ)は主に肝臓や胆道系に存在する酵素の1つで、タンパク質の合成やアミノ酸の輸送を支援する役割を果たしています。肝臓や胆道に異常があると血液中の数値が上昇します。
数値が高い場合は、アルコール性肝障害、慢性肝炎、胆汁うっ滞、薬剤性肝障害が疑われます。

腎臓系検査

クレアチニン(Cr)
アミノ酸の1種であるクレアチンが代謝されたあとの老廃物です。筋肉量が多いほどその量も多くなるため、基準範囲に男女差があります。腎臓でろ過されて尿中に排泄されます。

数値が高いと、腎臓の機能が低下していることを意味します。

eGFR(イージーエフアール)
クレアチニンより精度の高い腎臓機能の指標です。クレアチニン値を性別、年齢で補正して算出します。
数値が低いと腎臓の機能が低下していることを意味します。

尿酸(UA)

尿酸は、たんぱく質の1種であるプリン体という物質が代謝された後の残りかすのようなものです。
この検査では尿酸の産生・排泄のバランスがとれているかどうかを調べます。
高い数値の場合は、高尿酸血症といいます。高い状態が続くと、結晶として関節に蓄積していき、突然関節痛を起こします。これを痛風発作といいます。また、尿路結石も作られやすくなります。プリン体は体内でも合成される成分で、食品や飲料から摂取したプリン体は消化吸収後に尿酸へと代謝され、体内濃度が高まると結晶化しやすくなり、痛風や高尿酸血症のリスクと関連します。最近はプリン体ゼロのビールがありますね。ビール酵母にはプリン体が多く含まれています。また、乾物(煮干し、鰹節、干しシイタケ)や魚(マイワシ、かつお)、牛、豚、鶏のレバーや魚卵(いくら、たらこ)、魚の内臓系(白子、肝)に多く含まれています。高尿酸血症、痛風の治療ガイドラインには「1日400㎎を目安にしたプリン体の摂取制限」が示されています。高値の方は、食べる食材に気を付けましょう。

脂質系検査

HDLコレステロール
善玉コレステロールと呼ばれるものです。血液中の悪玉コレステロールを回収します。少ないと、動脈硬化の危険性が高くなります。数値が低いと、脂質代謝異常、動脈硬化が疑われます。

LDLコレステロール
悪玉コレステロールとよばれるものです。LDLコレステロールが多すぎると血管壁に蓄積して動脈硬化を進行させ、心筋梗塞脳梗塞を起こす危険性を高めます。

中性脂肪(TG)(トリグリセリド)
体内の中でもっとも多い脂肪で、糖質がエネルギーとして脂肪に変化したものです。数値が高いと動脈硬化を進行させます。低いと、低βリポたんぱく血症(脂質の吸収や運搬に関する遺伝的な疾患)、低栄養などが疑われます。

Non-HDLコレステロール
Non-HDLコレステロールとは、血液中の全コレステロールからHDLコレステロールを除いた値で、動脈硬化のリスク評価に重要な指標です。
LDLコレステロールだけでなく、中性脂肪が豊富なリポ蛋白、脂質代謝異常により出現するレムナント(残り物)などを含み、動脈硬化のリスクを総合的に管理できる指標です。
数値が高いと、動脈硬化、脂質代謝異常、甲状腺機能低下症、家族性高脂血症などが疑われます。
低い場合は、栄養吸収障害、低βリポたんぱく血症、肝硬変などが疑われます。

糖代謝系検査

血糖値
糖とは血液中のブドウ糖のことで、エネルギー源として全身に利用されます。
測定された数値により、ブドウ糖がエネルギー源として適切に利用されているかがわかります。
数値が高い場合は、糖尿病、膵臓がん(膵臓は消化酵素を含む膵液(消化液)を分泌し、血糖値を調整するホルモン(インスリン)を生成する臓器)で膵臓がんになると、血糖値を調整するホルモン(インスリン)の分泌が減少する為、高血糖となる)、ホルモン異常が疑われます。

血糖値は食事や運動、ストレスなどの要因で短期的に上下します。

HbA1c
HbA1c(ヘモグロビン・エーワン・シー)は、赤血球の中にあるヘモグロビンとブドウ糖(グルコース)と結びついたものです。赤血球の寿命はおよそ120日ほどなので、HbA1cの値は、約1~2か月間の血糖の状態を総合的に評価できる指標です。過去1~2ヶ月の血糖の平均的な状態を反映するため、糖尿病のコントロールの状態がわかります。また、空腹時血糖(FPG)が126mg/dL以上かつHbA1c 6.5%以上なら糖尿病と判断します。

朝食を抜いた状態や食後すぐなど、測定のタイミングに左右されやすい血糖値とは異なり、HbA1cは日常的な血糖コントロールの良し悪しを確認するうえでわかりやすい検査項目となります。

血球系検査

赤血球
赤血球は肺で取り入れた酸素を全身に運び、不要となった二酸化炭素を回収して肺へ送る役目を担っています。
赤血球の数が多すぎれば多血症(血液中の赤血球の数が通常よりも多くなる病気)、少なすぎれば貧血が疑われます。

血色素(Hb)(ヘモグロビン)
血色素とは赤血球に含まれるヘムたんぱく質で、酸素の運搬役を果たします。減少している場合、鉄欠乏性貧血などが考えられます。

ヘマトクリット(Ht)
血液全体に占める赤血球の割合をヘマトクリットといいます。数値が低ければ鉄欠乏性貧血などが疑われ、高ければ多血症、脱水などが考えられます。

MCV・MCH・MCHC
MCV(平均赤血球容積)は血液中の赤血球の平均的な大きさを示す指標です。
MCH(平均赤血球色素(ヘモグロビン)量は赤血球一つあたりの平均的なヘモグロビンの量を示す指標です。
MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)は赤血球1こあたりに含まれるヘモグロビンの濃度を示す指標です。
MCVの数値が高いと、ビタミンB12欠乏性貧血、葉酸欠乏性貧血、過剰飲酒が疑われます。
低いと、鉄欠乏性貧血、慢性炎症にともなう貧血が疑われます。

白血球(WBC)
白血球は細菌などから体を守る働きをしています。
数値が高い場合は細菌感染症にかかっているか、炎症、腫瘍の存在が疑われますが、どこの部位で発生しているかはわかりません。たばこを吸っている人は高値となります。少ない場合は、ウィルス感染症、薬物アレルギー、再生不良性貧血などが疑われます。

血小板数(PLT)
血小板は、出血したとき、その部分に粘着して出血を止める役割を果たしています。
数値が高い場合は血小板血症、鉄欠乏性貧血などが疑われ、低い場合は再生不良性貧血などの骨髄での生産の低下、特発性血小板減少性紫斑病(とっぱつせいけっしょうばんげんしょうせいしはんびょう)(血小板が減り、出血しやすくなる血液の病気)などの体の組織での亢進、肝硬変などの脾臓(ひぞう)でのプーリング(肝硬変などの肝臓の病床において、脾臓が門脈圧亢進症(肝臓に流入する血管のひとつである門脈内の圧力が異常に上昇している状態を指します。)にどのように関与しているか示す指標のこと)が考えられます。

数値に異常があった場合に気を付けること

すべての項目が正常であれば何よりです。来年も良い結果が得られるように、継続して健康増進に邁進してください。年齢が上がるにつれて、数値が気になる方もいらっしゃると思いますが、数値に一喜一憂したり、必要以上に過敏になり精神的不安ことはないと思います。

それよりも、肥満、メタボリックシンドローム、血圧や血糖値、HbA1cなどの健康との関連性が認められている数値には注意が必要となります。


健康診断の主な目的は、病気の早期発見、健康維持、生活習慣の改善、労働者の健康管理です。「数値の異常=病気」とは限りませんが、生活習慣病をはじめとする病気の早期発見・早期治療のためにも、検査項目の中で気になることがある場合には、産業医またはかかりつけ医に相談したり、健康指導(保健指導)を活用し、生活習慣と食習慣の改善を行うことをお勧めします。

食事はバランスの取れた食事を心掛けることが基本です。血糖値やコレステロールが高い方は、野菜を多く摂り、揚げ物や甘いものを控えましょう。市販のお弁当には、野菜があまり入っておらず、炭水化物や揚げ物が多く入っている傾向があります。またカロリーが高く、塩分も多めです。(高糖質、高脂質、高塩分傾向)市販のお弁当を食べる回数が多い方は、回数を減らす、野菜もしっかりとるなどの対応をしましょう。(ビタミン類、ミラネル類の補給)

肝機能の数値(ALT、AST)が高い方はアルコールの摂取量を見直すことをお勧めします。厚生労働省が示している適正飲酒の量の目安は、1日平均純アルコール量20g程度です。また、厚生労働省の健康日本21において、生活習慣病のリスクを高める純アルコール摂取量は、男性40g以上、女性20g以上とされています。

純アルコール量20gは概ね下記の表のとおりです。

いかがだったでしょうか。

今年の健康診断の結果を踏まえて、健康への意識(生活習慣の改善・習慣の改善・運動習慣を持つ)を高めて頂けると幸いです。

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