例年、インフルエンザの流行期は11月下旬から12月上旬に流行が始まり、1月から3月まで感染者数が増加していきます。2025年のインフルエンザの流行期は9月末から10月初旬と言う例年よりも早い時期から感染者数の増加が確認されており、全国各地の学校等で季節外れの学級閉鎖が相次ぐという、異例の事態となっています。
インフルエンザに罹ると、突発の発熱(38℃以上)、関節痛、筋肉痛、食欲不振などの「全身症状」が出ます。遅れて咳(せき)、のどの痛み、鼻水といった「呼吸器症状」が出ます。また、乳幼児や高齢者、基礎疾患をお持ちの方は「肺炎」や「脳炎(インフルエンザ脳症)」の重症化しやすいリスクがあります。
病気にならないために免疫k機能を維持、向上させるには、日々の生活習慣が重要ですね。生活習慣には、食事、睡眠、運動、腸内環境を整える、体温管理、ストレスコントロールなどがあります。
今回は、「免疫を整える食材や栄養素」「腸内環境を悪くする食事」をお伝えして、風邪やインフルエンザに罹らない様に注意しましょう。

免疫を整える食材や栄養素
免疫とは、病気の原因であるウイルスや細菌、異常な細胞を攻撃・排除して、健康な体を維持する働きです。非常に複雑な人体のシステム(自己防衛システム)となっています。
免疫力は「病気にかかりにくい力」と認識されている方が多いと思いますが、学問や医学用語では「免疫力」という言葉は使用されていません。免疫力とは、強さや気合ではなく、身体を守り、整え、元の状態に戻す免疫細胞が正常に働いている状態のことイメージしてもらえれば、分かりやすいかと思います。
人の免疫細胞の7割は腸内環境(小腸5割、大腸2割)に左右されます。腸内細菌バランス(善玉菌、悪玉菌、日和見菌など)が良いと免疫細胞(マクロファージ、T細胞、B細胞、NK細胞、顆粒球)が活性化されて病原体と戦う抗体が効率よく生み出されるようになり、免疫の調整機能もよく働くようになります。つまり、腸内環境を整えることが免疫の維持、向上に欠かせないのです。
ここまで踏まえて、「免疫を整える食材や栄養素」は、発酵食品(ヨーグルト、納豆、キムチ、みそ)が有名です。発酵食品の中には、様々な微生物(乳酸菌、ビフィズス菌、発酵菌、納豆菌)が多く含まれています。これらの微生物は、腸管免疫系を活性化し、全身の免疫機能を高めます。腸内細菌のバランスが整うことで、病原体への抵抗力が向上し、感染症のリスクも低下します。また、消化酵素の働きを助け、栄養素の吸収を促進します。発酵食品は継続して摂取することで、小腸の終わりから大腸内の腸壁の腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)=腸内フローラ(腸内細菌の集まりのこと。顕微鏡で観察すると美しいお花畑のようにみえる、、、らしいです。フローラとは、古代ローマ神話に登場する花と春の女神から名付けられている。)の多様性を高め、健康的なバランスを維持するのに役立ちます。

また食物繊維を摂取することも大切です。食物繊維の中でも水溶性食物繊維を摂るのがお勧めです。ただ、水溶性食物繊維を摂りすぎると、便が柔らかくしすぎてしまい、下痢を引き起こす可能性があります。何事もしすぎはよくありません。
水溶食物繊維(水に溶けやすい性質)は、海藻類(わかめ)、果物(りんご、バナナ、アボカド)、豆類(大豆、納豆、きな粉)、根菜類(ごぼう、こんにゃく)、オートミールに含まれています。
食物繊維の中でも不溶性食物繊維(水に溶けない性質)を多く含むのが、ごぼうをイメージされる方が多いと思いますが、ごぼう以外にも切干大根、豆類、きのこ類、野菜、いも類です。腸内の善玉菌のエサとなるだけでなく、便のかさを増やして便通を促すなどの効果が期待できます。先に挙げた野菜、果物等は水溶性、不溶性食物繊維がどちらも入っています。
また、免疫機能を向上させてくれる栄養素も摂り入れましょう。
ビタミンCは白血球の機能を活性化し、体内の酸化ストレスを軽減します。1日の推奨摂取量は成人男性で100mg、成人女性で100mgです。(日本人の食事摂取基準 2025年版より)
ビタミンDは免疫細胞の調整に関わり、感染症予防に効果があります。
亜鉛は免疫細胞の分化と増殖に必要なミネラルで、不足すると感染症に罹りやすくなります。
腸内環境を悪く食事
・脂質の多い食事
腸内細菌が理想的なバランスを保っている場合、小腸は「中性PH7.1~7.5」、大腸は「弱酸性PH6.0~7.0」の状態です。しかし、このバランスが崩れ、悪玉菌が増殖すると腸内は「アルカリ性」の状態となります。脂肪分の多い肉や揚げ物など油脂を多く含むものは体内をアルカリ性に傾ける特徴があります。油脂類(脂質)=悪いと言いたいわけではありません。適正量の摂取、良質な油脂類(脂質)の摂取は体に必要です。
・タンパク質の多すぎる食事
腸内がアルカリ性に傾くことで悪玉菌が増殖することをお話しました。実は、タンパク質を摂りすぎても腸内はアルカリ性に傾いてしまいます。さらに、タンパク質の場合、摂りすぎると腸内で腐敗を引き起こします。腐敗したタンパク質は悪玉菌の大好物で、それをエサとして増殖するのでさらに悪玉菌が増えて腸内細菌のバランスがどんどん崩れるという負のサイクルが起きていくのです。下に厚生労働省による「日本人の食事摂取基準2025年版」として、適正なタンパク質摂取量を載せています。タンパク質の摂取量を確認してみてください。たんぱく質の適切な摂取量は、体重1㎏あたり1.0g~2.0gとされています。あまり運動をしていない人であれば、1.0g~1.5g/㎏位で十分な量とされています。運動や筋トレを頻繁にされる方であれば、体重1㎏あたり1.5g~2.0gを目安にすると、十分な栄養とエネルギーの補給が可能です。

・食物繊維の少ない食事
食事の中で食物繊維(水溶性食物繊維、不溶性食物繊維)を含む食材を定期的に摂ることで、善玉菌にも絶えずエサが行き届き、腸内細菌のバランスも保たれます。しかし、昨今の日本人の食事内容は食物繊維が不足しているとの報告がされています。日本人の食事摂取基準(2025年版)では、以下の数値が目標量(生活習慣病の一次予防のために目標とすべき摂取量)となっています。

まとめ
いかがだったでしょうか。
食事から免疫を整えるお話でした。
免疫の維持・向上には腸内環境が大切ですね。腸内環境を整えるには、1日やっただけでは効果は発揮しません。継続して取り組みましょう。
朝食、昼食、夕食にヨーグルトや納豆などの発酵食品を摂り入れるだけでも構いません。時間のある時にきのこを使った野菜たっぷりのお鍋を作って召し上がってみてはいかがでしょう。余った野菜やお肉は、カットして、ポリ袋に入れて、冷凍庫に入れておけば、平日の食事作りにすぐ料理に取り掛かれて、時短にもなります。
空気が乾燥していたり、仕事で疲れていたりすると、免疫機能が低下して風邪やインフルエンザに罹りやすくなります。
もし罹ってしまったら、水分補給をこまめに行い、消化に良い食事を食べましょう。
咳やのどの痛みで食事が呑み込めない、食欲がない場合は、無理せず食べられるものを食べましょう。(バナナ、おろしりんご、お粥、煮込みうどん、野菜スープ、ゼリー等)
脂っこい食事、刺激、香辛料がが強い食事、胃や腸に負担のかかる食材は避けましょう。
病気に罹る前段階で、ご自身の免疫を整えてみてはいかがでしょうか。
健康でよい年末年始を迎えられるように、ご自身の免疫を整えましょう。

